大阪杯の過去を振り返りデータ傾向から学んでいこう
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今週は阪神競馬場は春の天皇賞の主要な前哨戦のひとつの産経大阪杯が行われる。古馬中長距離路線は昨年の三冠馬ディープインパクトが断然の存在で、日経賞を快勝したリンカーンなど二番手グループが徐々に形成されつつある。二番手グループへ食い込みを見せる馬はこのレースから現れるのか?このレースを占ってみた。
先週から春のGⅠシリーズが開幕した。第一弾の高松宮記念ではオレハマッテルゼが見事勝利し、GⅠ馬の仲間入りを果たした。また、海外に目を向けると、ドバイではハーツクライにユートピアと大活躍だったことで日本の競馬も盛り上がりを見せていくことであろう。
さて、今週の中央競馬だが、桜花賞の1週前ということで、GⅠの開催はないが春の天皇賞の前哨戦の産経大阪杯が開催される。
古馬の天皇賞路線は先日の阪神大賞典を快勝した三冠馬のディープインパクトが断然の存在であり、形の上では2番手グループはどの馬なのか、というのがファンの興味の焦点である。先週の日経賞を快勝したリンカーンとともに2番手グループに食い込んでくる馬がこの産経大阪杯で出てくるかを見極めたいところである。
今回もまずは例によって過去10年の連対馬から見ていきたいと思う。
歴史と格式のあるGⅡ戦であり、前年のGⅠ馬、もしくはGⅠを狙う馬の始動戦的位置づけもあるわけだが、ここ数年ではネオユニヴァースの勝った2004年以外は連対馬だけを見ると割と混戦気味のような感じを受ける。
連対馬の傾向を下記にまとめてみたのでご覧頂きたい。
【人気】
・1番人気は[8-1-0-1]と圧倒的な勝率・連対率。ただし、唯一の例外はあのテイエムオペラオー。
・2番人気は[0-1-3-6]。かなり信用度が低い。唯一の連対は前走マイルで惨敗した菊花賞馬のマチカネフクキタル。
・3・4番人気で合計7連対。1番人気から3・4番人気という組み合わせで10年中7年で的中可能である。
【年齢】
・4歳馬が10年中7年で連対、現在6年連続で連対中。
・7歳以上で連対した馬は全てGⅡに勝鞍のある馬である。
【好走馬のパターン】
・1番人気の最低好走ラインとしてはGⅡ連対+OP勝利経験が必要で、これに満たない場合は注意すべき。
・3ヶ月以上の休養明けが8頭連対。そのほとんどが有馬記念、JCのGⅠ組。香港C経由のマグナーテンを除いた7頭は全てGⅠ連対経験馬。
・連対馬17頭に重賞連対実績があったので、必須と見てよいだろう。例外のインターユニーク、ロードプラチナム、トーホウドリームについては重賞出走経験は1回以下かつ、前2走ないに準OP勝ちが見られた(産経大阪杯の穴パターン)。
【芝2000mでの実績】
・連対馬20頭中17頭に芝2000mでの勝鞍があった。1度しか出走経験のなかった(1戦1勝)ロードプラチナムや皐月賞、秋華賞といった芝2000mのGⅠ勝ち馬のネオユニヴァース、メジロドーベルを除いた14頭全てが芝2000mを2勝以上していた。
・上記の芝2000mに勝鞍のない延べ3頭(タイキブリザードとマグナーテン2回の2頭)においても、2度のGⅠ2着(タイキブリザード)、GⅡ2勝を含む重賞4勝(マグナーテン)と特筆すべき実績があった。
【その他】
・安藤勝己騎手が3連覇を含む4連対。他にも横山典弘、デムーロ、武豊騎手が複数回の連対を記録。
・関西のレースだが、関東馬が6連対。連対率の上では関西馬を上回っている。
・ここでもサンデーサイレンス産駒が猛威を奮っており、9連対(1着6回、2着3回)に加え、3着5回を記録。
際立った法則性は見当たらなかったので別表にせず箇条書きでまとめるにとどめたが、ここまでで十分レースの方向性は見えてきたと思う。
【結論】
産経大阪杯の連対馬選びをするにあたって、今回は登録馬をふるいわけしてみようと思う。
表2に特別登録馬の一覧と今回挙げたチェックポイントをもとにチェックをしてみたものをまとめてみた。
今年の登録馬に当てはめると今年の登録馬は過去の当レースの連対馬と比較して小粒な感じが否めないが、
・性齢(GⅡ勝ちのない7歳以上馬はアウト)
・前走(前走が前年JC以前はアウト/前走二桁着順はマイナス)
・2000m実績(特筆すべき実績のない1勝以下馬はアウト)
・重賞実績、その他
といった項目でチェックしていくと今年の登録馬からは アドマイヤジャパン、シルクフェイマス、スズカマンボ、マーブルチーフ、ローゼンクロイツあたりが浮上しそうだ。残念ながら、穴パターンに該当する馬は見られなかった。
京都記念組のシルクフェイマス、マーブルチーフであるが、京都記念組の産経大阪杯の実績は[1-1-9-12]と連対率はイマイチである上に、連対した2頭の重賞での着外経験を踏まえると(2001年1着トーホウドリーム・・・重賞1回出走、着外1回 1997年2着ユウトウセイ・・・重賞2回出走、着外0回 に対してシルクフェイマスは重賞で着外6回、マーブルチーフに至っては17回)、重賞での着外経験が過多という印象を否めず、心もとない印象を感じる。よって、△止まりで行きたい。
今回登録の中の唯一のGⅠ馬のスズカマンボは、当コース、同距離での重賞勝利実績があるが(2004年朝日CC1着)、前走有馬記念10着と二桁着順に沈んでいる点が若干マイナス。従って、▲とする。
同じ意味ではJC以来となる4歳馬のアドマイヤジャパンだが、GⅠ連対実績、2000m勝鞍数と問題のない実績に加え、産経大阪杯で圧倒的な戦跡を誇るサンデーサイレンス産駒であるだけに、軸馬にしたいところだが、JC大敗をデータ的に判断した結果2着までと判断し、○とした。
というわけで、今回の◎はローゼンクロイツとする。
アドマイヤジャパンと同じくサンデーサイレンス産駒の4歳馬ローゼンクロイツは、中京記念2着という好ステップで臨んできている。中京記念組の産経大阪杯の実績は[2-0-1-23]とイマイチの連対実績だが、『中京記念を57キロ以上で3着以内だった馬』に関しては[1-0-1-1](2005年1着サンライズペガサス・・・中京記念57キロ1着、2004年3着カンファーベスト・・・中京記念57.5キロ3着、1998年4着トーヨーレインボー・・・中京記念57.5キロ1着)という実績を踏まえると、武豊騎手鞍上を予定している今回は好走が可能であるとみる。
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